心を全開にして歌を歌うのは、怖いし、恥ずかしい。
ボイスヒーリングの発声は、
力を抜いて、楽に声を出します。
でも、会場の隅々にまで、響き渡る声になるのです。
どうしてかというと、
声を自分の身体から離して、飛ばしているから。
自分の喉にくっついた声は、その場でしか響かない。
でも、自分の身体から離して、遠くへ飛ばした声は、
遠くの空間、お客さんの心、空間のそこらここらに散らばっている音の粒。
そんなものをすべて味方にして、みんなに手伝ってもらって、空間中が響き始める。共鳴し始める。
いろんなものが共鳴することによって、より豊かで、味わいのある声になるのは、いろいろが一緒になるから。
なんだか、私たちが目指す共生社会の法則と似ているな。
違うものの集まりこそが、広く深みのあるものを作り出す。
そして、それが叶うには、声を思い切って手離して、空間に委ねなければならない。
それは、とっても怖いこと。だって、自分の一部である声を手放すんだもの。それも、空間という何とも掴みにくいものに。
でも、まちがいなく、喉にくっついている声よりも、宙に放った声の方が、キラキラと輝いて、魅力的である。
信頼して手離すことにより、声はたくさんの力を借りて、より自分らしく生き生きと輝き始める。
何だか、子育てにも似ているな。
寂しいし、心配だし、怖いし、手元に置いておくのが一番安心なのだけど、
すべてを信頼し、思い切って手離すことにより、子供も、たくさんの人の力を借りて、よりキラキラと輝き始める。
木漏れ日も、夜空の星も、イルミネーションも、
すべて、ちょっと離れて見るから、より輝いて見えるんだよね。