ゲスト 田中陽子さん

美佳)「はい、まず最初は、見えないトコがいいところコーナー。このコーナーは、毎回見えないトコ、障がいについてをテーマについていろんなゲストの方お呼びしてお話を聞いています。今日のゲストは、先ほどちょっとお声を聞きました、田中陽子ちゃんです。よろしくお願いします。」

陽子、みんな)「よろしくお願いします。」

美佳)「田中陽子ちゃんは、今20~?」

陽子)「今月で28になります。」

美佳)「今月お誕生日ですか?11月何日?」

陽子)「“いいふろ”の日です。」

美佳)「いいふろの日?26日もうすぐか!それは、おめでとうございます。ハッピーバースデー歌わねば。なんですが、実は大学3年生の時に発達障がいという診断を受けてそれから色々困難があったりしながらも今は、その困難を伝えることで今悩んでいる方とか、お母さんとかいろんな人がちょっと楽になるように何か活動できたらいいなって思っているところよね。」 

陽子)「はい。」

美佳)「じゃ、大学3年生の時に診断受けたということは、病院か何かに行ったんですか?なんか、きっかけとかあるの?」

陽子)「ちょっとなんか動けなくなって。」

美佳)「動けなくなったの?」

陽子)「起きれなくなって、大学に行けなくなって、で、病院に行ってみる?っていうきっかけでした。」

美佳)「動けないっていうのは、眠いってこと?」

陽子)「もう身体がしんどすぎて起き上がれない状態ですね。」

美佳)「もうまったく力がない…。」

陽子)「そうですね。」

美佳)「疲れ切った感じ?」

陽子)「疲れ切って。」

美佳)「ふ~ん、そうなんだー。自分ではなんかこう、疲れてる~とかあった?それまでというか。ある日突然なったの?」

陽子)「結構、しんどい感じがしたのは小学生の時からとか中学校の時からとかあったんですけど、なかなかやっぱりね、親はあんまりそういうの理解ないから、なかなか病院とかに連れて行ってもらえなかったんですけど、やっぱ寝たきりになって、ああこれはやばいって思ったんでしょうね、お母さんが。」

美佳)「そしたら発達障がいだよって。」

陽子)「ああ、はい。そうですね。」

美佳)「そのときどんな感じ、気持ちというか。」

陽子)「えっと、半分がやっぱり半信半疑、半分がやっぱりそうなのかみたいな。だから安心と共に不安と、でもやっぱり安堵っていう。」

美佳)「安堵。」

陽子)「うん。」

美佳、郁子)「ふ~ん。」

美佳)「なるほどー。安心っていうのは?」

陽子)「なんか、一人じゃなくなった感じ。」

みんな)「は~、なるほどね~。」

陽子)「なんか、受け止めてもらえたみたいな。」

美佳)「それは先生にってこと?」

陽子)「うん、うん。」

美佳)「不安は?」

陽子)「不安は、これからどうしたらいいんだろうみたいな。」

美佳)「ふーん。それでもやっぱり安堵の方が。」

陽子)「うん、強いかな。診断を受けたっていうので、大学の先生にも伝えやすくなったとか。」

美佳)「ああ、そうだね、うん、うん。そっかー。で、しばらくはお家で寝てた?」

陽子)「そうですね。でもなんか卒業は4年でしなさいって言われてたので、5限目だけ行くとか、週にそれを2,3回にしてみたいな。」

美佳)「大学だと選べるもんね。授業をなるべく遅いのにしたりとか。先生によっては、レポート提出で単位にしてくれるとかね、理解があれば。で、大学4年生の時に卒業を。」

陽子)「しました。」

美佳)「なるほどね~。そっかー。なんか、小学校中学校からしんどいな~って思ってたのは、何がしんどかったのかな?」

陽子)「場面緘黙とかも私あって、」

郁子)「場面緘黙ね~。」

陽子)「は~い。幼稚園の時も結構自覚はあったんですけど、」

美佳)「幼稚園の時から自覚あったの?」

みんな)「へぇ~。」

陽子)「はい、はい、はい。」

美佳)「どういう自覚?」

陽子)「みんなの前で走れないとか、ダンスができないとか、お話ができないとか。だからなんか、教室の隅の方で折り紙をして遊んでるみたいな。」

美佳)「それは、不可能ってことではなくて、みんなの前だからできないっていうこと。」

陽子)「家の中では、めっちゃしゃべる子。だから、なんで幼稚園とか学校では喋らないのに、家ではこんなに元気なの?ってよく言われてました。」

美佳)「うちの子も一緒だわ~。そう、場面緘黙ってあんまり聞きなれない方もいらっしゃるかもしれないんですけど、機能としては、口から声でってお話はできるんだけれど、場面によって例えばお家の外とか学校とか、になった時には、まったく声が出ないのかな。お話ができない状態に。本人の意思と、喋りたく無いわけではないんではなくて、声が出ないっていう、本人の意思とは無関係にそうなってしまうことを場面緘黙っていうんだよね。」

郁子)「そうですね。」

美佳)「なんかこう、うちの子もまぁ、6歳くらいまで外で声は出せなかったんだけど、で、陽子ちゃんと私は出会ったときに、私も場面緘黙でしたって言ってて、え、うそ!って普通にお話しできるから。で、いつ頃からできるようになったのって言ったら、だんだんできるようになったから、娘さんもなりますよって言われてたんだけど、確かにうちの子すっごく最近口数が増えてきて、とても話すことが多くなってきたから、あ、陽子ちゃんが言った通りだなーって、そんときは安心したんだけど、そんときは私は半信半疑でほんとかな?って思ってたんだけど、ほんと喋るようになってきた。だから、ほんと場面によって緘黙してたんだよね。」

圭悟)「よく覚えてますね。幼稚園のこととか記憶にあることがほとんどない。」

美佳)「昨日のことも忘れてる。」

みんな)(笑う)

圭悟)「でも、幼稚園のことよう覚えてますね。それは辛いとか、そういう気持ちがあってからこう。」

陽子)「たぶん、ストレスに感じてたんでしょうね。」

美佳)「ふーん。それはやっぱり人前でも、お家と同じようにしたいと思うからストレスなのかな?」

陽子)「んー、なんかみんなと同じようにやりたいとか、周りからなんでできないかって言われるのが辛いとか、自分だって葛藤はもちろんあるので。」

美佳)「そっかー。」

陽子)「はい。」

美佳)「そういえばうちの子も妹が外で大声で『ママー!!』ってなんか走ってくるの見て、どうしてあんなにおっきな声出せる、私はくしゃみもできない、学校で幼稚園でくしゃみもできないって言ったの覚えてます。やっぱそんな感じなのかな。声も出ない?」

陽子)「うん。」

美佳)「ほんっとに緊張する場とかにいたら、誰しもね、なることもあるかもしれないけれどそれがもっともっと普通の日常で起こってしまってたってことよね。それでやっぱりずっとしんどい、ほんとの自分じゃなくて、過ごすからかな。」

郁子)「そうだと思う。自分らしくいれない、その場所に。そうすると、動きも声も止まってしまうんじゃないかなぁと思いますね。」

美佳)「で、疲れる。」

郁子)「疲れるよね。」

陽子)「うん。」

美佳)「そっかー。」

陽子)「結構いろんな刺激受けやすいみたいで、人の声だとか、表情だとか音だとか、で、自分が思ってないところで刺激を受けているから、すごく疲れやすいとか。」

美佳)「そうね。例えば、天神とか博多駅とか人込みとか行くと誰でもなんか家帰ってきたら疲れたーって思うのが、もっともっと日常でもこう、起こっていることだよね。」

陽子)「うん。」

郁子)「そうですね~。」

美佳)「そっかー。その疲れがたまって、大学3年生で診断受けて、ってことね。」

陽子)「でも、その時に診断受けれたので私は良かったな~と思っていますね。」

美佳)「あ、良かったなと思うんだ。」

陽子)「今は良かったな~って思っています。」

郁子)「今はね~。」

美佳)「なんか、これ聞いてる方の中にはね、私もしかしたらそうかもしれないとか、うちの子もしかしたらそうかもしれないって思ってる人もいるかもしれない、いっぱいいると思うんだけど、で、子どもがちっちゃいとまだ良いけど、例えばもう思春期とか大きくなってた場合にわざわざなんていって診断受けさせたらいいのかなとか、診断受けた方がいいのかなとか、色々悩んでいる人もいるかもしれないんだけど、さっき陽子ちゃんは手帳を取ってというか要するに診断を受けて、障がい手帳があることでいいことがいっぱいありますよって、みんな誤解しているっていうことを言ってたんだけど、それはどういうことなんだろう。」

陽子)「手帳を申請したからといって全員がもらえるっていうなんか保障は無いんですけれど、でもなんかお守り代わりになるというか、」

美佳)「お守り。」

陽子)「はい。それ持ってるから公に私障がい者ですって言うこともまったく無いんですよね。で、なんか、」

郁子)「利点もたくさんあるってことですよね。」

陽子)「就労の助けになったりとか、交通費がちょっと安くなったりとか、生活面で私はすごい助けてもらってるかな。私は障害年金が出るほどの重度ではないので、ちょっと生活面ではあれなんですけど、その交通費が安くなるのはすごく助かっています。」

郁子)「そうですね。それとあの、ヘルプマーク、ヘルプカード、一般的にまだ知らない人がすごくいっぱいいると思うけど、陽子ちゃんはとてもこの運動もしたいという、広めたいっていう思いが強いって聞いてますよ。」

陽子)「そうですね、はい。福岡県はまだヘルプマークって導入されていないんですけど、ヘルプカードが今、福岡市と北九州市にあるのかな。」

郁子)「ヘルプカードが福岡市と北九州市ですね。」

陽子)「福岡県はですね。で、福岡県のホームページからヘルプカードって検索していただいたら、ダウンロードできるページがあるので、そこで印刷して使ったりとか、私はしています。」

郁子)「あ、そうなんですね。」

陽子)「保健所でもらえるんですよね。くださいって言えば。ときどき在庫が無いこともあるので、電話して聞いていただくのが早いのかな~って思います。病気とか障がいがあって、配慮が必要な方が付けるマークっていうふうになっているんですけど、私は健常者でも配慮や支援が必要な人は付けてもいいのかなと私は思っています。見かけたときにどうしたらいいのかってよく聞かれるんですけど、当事者でも勘違いされてるのが、それ付けてるから座れるとか、優先席座れるとか、座りたいのに座らせてもらえないという声は聞くけど、そのためのマークじゃなくって、あくまでも配慮や支援が必要な人。だから見かけたときは、『今、困ってますか?』とか『何かお助けした方がいいことありますか?』とかっていうような声かけの方がいいのかなって思っています。椅子が必要な人とか必要じゃないって人もいらっしゃるので、もうほんとにその人によって、全然違いますから。」

美佳)「今、ヘルプが必要かどうか、分かんないよね。」

陽子)「そうです、そうです、そうです。でも、それを持っている人がいたら、何かちょっと抱えているんだなーと思っていただければ、いいかなーって、ちょっと気にしていただけたらすごく嬉しいですね。」

美佳)「そうだよね。」

圭悟)「まずは、気にするだけでいいというか。例えば、電車に乗って、向かいに座った人がヘルプカードとか見えたりしてすぐに何か助けましょうか、とか、何かやれることありますか?って聞きに行くっていうのも、なんかこう、例えば、それを知ってる人がいたら、駅に止まる度にそう聞かれると困るだろうし、なんかその、基本的には、あ、今そういう状況というかもし何か困りそうになってたら声かけるとかそういう方がいい、楽なんですかね。」

陽子)「なんか電車とかバスの中だったら『今椅子必要ですか?』とか、なんか聞いてくれたらすごく嬉しいなって私は思います。」

美佳)「今日ちょうどね、カーネルさんと今回のトコラジテーマを『知る』にしようって言ってた。」

カーネル)「そうね、言ってた。」

美佳)「とこで、これも知っているか知らないかだけで、知ってる人がいっぱい増えたら、今必要でなくてもヘルプが。」

カーネル)「そうだね。」

美佳)「必要な時に誰かしてくれるかなって安心もあるよね。」

カーネル)「勘違いっていうのが一番、誤解を生むのでそのヘルプカードの意味っていうのをね今陽子ちゃん説明してくれたけど、それを知ってるだけで全然違うのかなっていうのが、あるから。」

郁子、美佳)「そうですね。」

美佳)「私も、娘に持たせてないんだけど、ちょっと自分で動くこと多くなってきたから、例えば満員バスで後ろの方に乗ったら多分、降りれなくなると思うし。」

圭悟)「降りますって言えない。」

郁子)「そうですね。」

美佳)「とか、あの、満員だからリュックを前にしようとか機転利かないので、この人気が利かないなって思われないかなとか、やっぱり、ほらこんくらいの混雑だととかが分かんないから、でもそういう時にこのヘルプマーク下げてたら、分かってもらえるかもしれないから、私もダウンロードしよう。」

みんな)(笑う)

陽子)「マークの特徴は、赤色にハートの白地と十字の白地です。が、ヘルプマークで、縦長の形なんですけど、ヘルプカードは、横長で都市名が書いてあったり、ヘルプカードって書いてあります。その赤の白地のマークも付いているので、分かりやすいかなと思っています。」

美佳)「分かりやすい、説明もすごい今の、分かりやすいし、ありがとうございます。これでなんか知ってくれている人が増えたらいいし、私も持たせてみようって思いました。」

郁子)「いいですね。」

美佳)「今日ずっと知るテーマなので、これからも陽子ちゃんこの残りの時間、ずっとお話一緒に付き合ってください。」

陽子)「はい。」

美佳)「で、えっと、とりあえずこのコーナー最後になりますが、陽子ちゃんが思い出の歌が、お母さんがいつもちっちゃいとき歌ってくれてたの?」

郁子)「え~!」

陽子)「なんか寝るときに、よく讃美歌を歌ってもらってて、『いつくしみふかき』っていうのをよく歌ってもらってました。」

美佳)「じゃあ、その思い出の歌をちょっと歌ってもらいましょう!」

カーネル)「へぇ~!」

郁子)「お願いしまーす。」

美佳)「素敵な声なんだよね。」

郁子)「お願いします。圭吾君もね。」

みんな)(笑う)

陽子)♪『いつくしみふかき』歌う

パチパチパチパチ

♪音楽

この放送は以下から聴けます。

https://youtu.be/zoL1tlGWPuQ