郁ちゃんの心の架け橋コーナー2〜そしてありがとう

『そして、ありがとう』

物心ついた頃から、周りの人たちと違う感じがしていた。

頭がボーッとして身体がだるくて、心がいつもソワソワしていた。

そんな自分の状態を、

私は人に伝える術(すべ)を知らずに生きてきた。

外側から見える私は、

元気のない、

気力の続かない、

忍耐力のない“育てにくい子”、“難しい子”。

やっと夢中になれるものを見つけたら

「そんなものは将来何の役にも立ちはしない」と言われた。

 自分を語る術(すべ)を知らない私は、

心にフタをして傷つくことを防いでいった。

 世界中の中、一人だけでいいから私をわかってほしかった。

ねえ、わかってほしかったよ。

年を重ねて行き、いろんな人に出逢った。

優しい人がたくさんいた。

病を抱えながら一人で元気に生きている人。

家族を支えながら懸命に生きている人。

たくさんのつらい経験を乗り越えて笑顔で生きている人。

いろんな人がいた。

みんな素敵だった。

そして私は、ずいぶんと、ずいぶんと大人になった。

親にもなれた。

ねえ、お父さんもお母さんも戦争を体験していたんだよね。

物のない時代に生きて、我慢が当たり前の世の中だったんだよね。。

真冬に川の水で洗濯してたって言ってたね……。

お父さんの人生、お母さんの人生、

一人、一人尊い一生だね。

ああ、きっと私を愛しく思ってくれていたんだね。

お母さんなりに、病院探したりして心配してくれてたんだね。

ああ、今頃だけど、 産んでくれて、育ててくれて、支えてくれてありがとうございました。

そして今、

私の家族、

私の身近にいてくれるみんな、

ありがとう。

 今も毎日

頭がボーッとして、

身体はだるくて、

心はいつもソワソワしている。

でも、

人を愛する喜び、

愛される幸せを知りました。

 心のフタを外して、

体の力を抜いて、

自分らしくいられる幸せな時間を感じました。

支えてくれている全ての存在に感謝します。 ありがとう。