週に二回も空港で寝た話

二回目は慣れたもの。

もうかれこれ13年ほど前の話ですが、週に二回も空港で夜を過ごした時がありました。

5年のアメリカ生活を終えて、日本に帰国するとき、帰国前にグレイシャー国立公園というところに旅行しました。

帰路、乗り換えに寄った空港から、国際空港への乗り換え便が、離陸直前にいきなりドアが閉まらない!というトラブルに。

数時間待つも、離陸する気配なく、そのまま飛行機を下ろされ、次の日に再離陸するとのこと。近くにホテルもない田舎の空港。周りを見ると、みんな床にどこから持ってきたのか、毛布を敷き詰め、荷物で周りを囲み、くつろぎ始めたでないか。

そうするうちに、飛行機会社からの差し入れの、ピザとジュースが配られ、パーティのように楽しそうに談笑の後、それぞれ、すっかり就寝の様子。

あれよあれよと言う間に、我が家も空港の床に家族五人毛布を敷き、一晩過ごしたのでした。

次の日無事に飛行機は飛び、私たちは日本へと向かうことができました。

しかし、9月1日、到着予定の関西空港付近は台風の通り道となり、ギリギリ着陸できたものの、福岡行きの飛行機は飛ばず、次第に暴風雨となる滑走路の上の飛行機の中に数時間待機後、怖い思いした割には、結局キャンセルとなり、またや、関西空港のロビーで一晩過ごすことになりました。

もう、二度目ですから、慣れたもの。

まずは、安全、かつ、快適そうな場所を見つけ、一人がそこに子供達と残り、もう一人は、毛布の調達。プラス、さすがに天災のため、ピザはなかったので、食料の確保。そして、荷物で壁を作り、子供達と熟睡。さすがに夫は安全確保のため眠れなかったそうですが。

次の日、なんとか大阪空港発の飛行機に乗り込んだのですが、スーツケースは、昨夜の飛行機に乗せたままなので、後から、郵送とのこと。

アメリカから帰国した福岡には何の物もありませんから、私たちは、着の身着のままで、地下鉄に乗り、新しく住む予定の何もない、本当に何もない賃貸予定の住宅にたどり着いたのでした。

スーツケースが届くまでの数日間は、本当に下着すらなくて、大変でしたよ。五人分。

私は、飛行機に懲りちゃって、それ以後、昨年まで、12年間ほど一回も飛行機には乗りませんでした。

ちょっと思い出したから、書いてみました。