平和を創るコンサートへの思い②

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始まりは、お話を聞きに伺った被爆語り部の山口美代子さんのお店。

そこで私はとても不思議な体験をしたのです。

私は、山口さんのいろいろなお話を聞きながら、
テーブルの上に置かれたたくさんの資料をパラパラと眺めていた。

するとふと手にした山口さんの書かれた文章の一つから、幾つかの文字が浮かび上がってきたのです。
その言葉は

「歌」
「シューベルトの菩提樹」
「黒田さん」

そして、なぜか私は、

「黒田さんをテーマにしたコンサートをさせてください」
と、言っていたのです。

わずか数秒の出来事。

詳しい内容も読んでいないのに、このストーリーで平和のコンサートをしたいと心が決まったのです。

黒田さんという実在の青年をモデルに作ったストーリーをもとにコンサートにして展開します。

黒田さんは、山口美代子さん(当時14歳)の上司。軍需工場の片隅で、昼休みごとにみなを集めて、合唱をしていた。指揮棒代わりの万年筆がかっこよかった。歌う曲はシューベルトの菩提樹。軍服を着ることもなく、軍歌を歌うこともなく、歌の中に平和への思いを込め、心の中に平和の灯をともし続けた黒田さんは、原爆により亡くなってしまいましたが、亡くなるまで、歌を歌い、人々の心に安らぎを与えていたそうです。

黒田さんと出会った夜 創った詩

「菩提樹の歌が聞こえる」

菩提樹の歌が聞こえる

少女たちは微笑み、

青年たちは

爽やかな横顔を赤く染め、

そして、歌う。

青い空に弧を描く

青年技官のしなやかな指

爽やかなその横顔は

この空のように澄み渡り、

風が歌い、

鳥がさえずるこのひととき

世界は全て彼のもの

あの日の青空も

いつものように

菩提樹の歌を歌っていた

あの時まで

青い空が裂け、

風が叫び、

鳥が哭く。

剥き出しの魂は

あらゆる感情を奪われ、

さまよい歩く

それでも

菩提樹の歌は

変わらず流れる

奪われた感情が

恐る恐る動き出す。

にきび面の青年は

笑顔の女学生を思い、

相も変わらず、

ほおを赤く染めながら

そっとそっと見守る。

少女たちは、

恥ずかしげに、

感情を隠す。

青年技官の魂は

大きな大きな空に

大きく大きく弧を描く

菩提樹の歌は

相も変わらず、

流れてる。

魂の歌は

いつでも どこでも

人が、魂が、ある限り、

流れ続ける。

菩提樹の歌が聞こえる

ほら、

耳をすませて、

心をすませて、

あなたの元にも、

届いているから。

平和を創るコンサート「ぼだい樹の唄が聞こえる」

8月25日(土)11:30~14:30
レストランゆずのきにて。

詳細、お申し込みはこちらから。準備の都合上完全予約制になっています。また、お席が埋まり次第締め切りとさせていただきます。

https://www.kokuchpro.com/event/20685f580d7ae47cda0626f432d4076d/