そのものの持つ力を見た。〜菩提樹の歌が聞こえるコンサート2019

菩提樹の歌が聞こえるコンサート2019終了しました。

ふくふくプラザの音楽室は、開催前から吉澤みかさんの絵本の原画のひかりにあふれていました。

絵本も大好きだけど、やっぱり原画には魂が込められていました。

今回のコンサートは、私にとっては一つの挑戦でした。

普通はコンサートやお芝居って、たくさんたくさん練習すると思うんです。一つの目標に向かって。

みんなで力をあわせるから、感動を作り出せる。

でも、今回のコンサートでは、私は「平和」をその場に作り出したかった。

「平和」って、どんな状態?

私の思い描く「平和」は、「Togatherland」そのもの。

今の私たちそのまま、それぞれが持っている素晴らしきもの、を寄せ合って、

それぞれが無理なく居ること。

その状態が「平和」を作り出すのだと思うのです。

まずは私の中の平和から。私が無理をしない主催であること。

を心がけました。

そして、

それぞれの関わり方を尊重すること

事前練習がある方がいい人。ない方がいい人。様々な関わり方でこのコンサートに関わって欲しかった。

台本、楽譜、音源、当日のスケジュール、だけを配布して、

当日の本番前に合わせるだけ。

自宅で練習した人もいました。していない人もいました。

前日に練習した人もいました。動画をしっかり見ていた人もいました。

会場て聞くのがいいなあ。って思ってくれた人もいました。

参加はできないけど、心の中で応援するね、って言ってくれた人もいました。

それぞれの今で無理ない関わり方。

それによってきっと、本当に「平和」をその場で作り出せる。

だって、今のその人の状態が今を創り出しているから。

疲れているなあ、イライラしているなあ、って不思議に伝わりますよね。

そして、楽しそうだなあ、幸せそうだなあ、というのも伝わって、こちらまで楽しくなったり、嬉しくなったりします。

それと一緒。

やっぱり、「平和」だった。

そして、本番。

出演者、スタッフの人たち、会場の人々、みんなで作ったその時間は、愛の涙と光に満ち溢れた素晴らしいものとなりました。

語り部の山口美代子さんの語りはそのまま愛でした。

辛い経験、苦しい経験をたくさんされているのに、明るく、お茶目な山口さんは、88歳。

当時14歳。だんだん自分の体験として語れる語り部が減ってきているから、私はお役目。

そう言って、ご高齢にもかかわらず、いろんなところでお話をされています。

山口さんのお話は、原爆の悲惨さ、戦争の悲惨さ、はもちろんなのですが、その中にも当時の人々の生きざま。当時の人たちの心あたたまるエピソード。どんなに自分たちが愛に囲まれて生きていたか。そんなことを語ってくださいます。

当たり前の日々。当たり前の日常の中にある大事なこと。

だからこそ、余計にそれを奪った戦争を二度と起こしてはいけないという気持ちになります。

「私はね、いつも出たとこ勝負」

そう笑っておられる山口さんの語りは、飾らない、作らない、山口さんそののもで、だからこそ、この世に唯一無二の価値があると気づかせてくれます。

唯一無二の集まりが「平和」です。

そして、最後は、大塚れなさんと木下順子さんによる、癒しの歌の演奏。

心がたっぷり動いた後には、ぜひ、お二人の癒しの演奏で心を癒して帰っていただきたいと思って演奏をお願いしました。

れなさんの歌と順子さんのピアノも、何度聞いても、違った歌に聞こえます。そして、いつも味わい深い。

その時、その場所の、お二人の姿そのもの。

生きているんですもの、人間って。

人間って素敵だなって思うんです。

だから、だから、余計に戦争はしないって、やっぱり思えるんです。

最後に全員で「花は咲く」を歌いました。会場の皆様も一緒に声を重ねていただいて、会場には「平和」が満ち溢れました。

人がそれぞれ違っているように、

「平和」も、「平和の創り方」も違っている。

私はこうやって「平和」を年に一度作っていきたい。

どうぞ来年も開催しますので、それぞれの関わり方で、ご参加いただけると嬉しいです。