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美佳)「こんにちは。今月も見えないトコがいいところコーナーです。今日は西部ガス 絆結株式会社 千代事業所 コピーセンター絆結に来ています。みなさん、こんにちは。」
みなさん)「こんにちは~。」
美佳)「今日は、私を含め4人のメンバーがいます。私の左から向井さん。こんにちは~、よろしくお願いします。」
向井さん)「こんにちは~、よろしくお願いします。」
美佳)「船越さん。」
船越さん)「はい。こんにちは~、よろしくお願いします。」
美佳)「こんにちは、よろしくお願いします。大蔵さん。」
大蔵さん)「こんにちは。」
美佳)「こんにちは、よろしくお願いします。」
大蔵さん)「よろしくお願いします。」
美佳)「さっきから打ち合わせしててすっごく盛り上がってるので、なるべく早く本題に入りたいと思います。それでは、まずですね、船越さんの方からこのコピーセンター絆結についての紹介をお願いいたします。」
西部ガス絆結株式会社について
船越さん)「はい。会社名は、西部ガス絆結株式会社という会社で西部ガスの特例子会社という位置づけでやってます。この千代事業所は、障がいのある人が9名働いています。みんなで自分の得意を生かして、生き生きと楽しみながら厳しさもありながら、仕事をしています。お店自体が、すごく明るい雰囲気の中で、正しく理解をするということを目指して色んな方に来ていただいて、触れ合ってもらって、障がいのある人でも、こんなやってしっかり働けるんだということを、知ってもらうような場所として日々頑張っています。こんな感じです。」
美佳)「はい。ありがとうございます。私も今日来るときですね、地下鉄から上がってきてすぐ、もう正面にガラス張りですごく明るくていいですよね。どこからでも見えるし、入りやすい。緑もあるし、素敵な絵が迎えてくれるし、みなさんの居場所になっていきそうな場所ですよね。」
船越さん)「そうですね。たくさんの人に来てほしいなと思います。」
美佳)「じゃあ、気軽に来て、ただお茶飲みに来てもいいですか。」
船越さん)「ああ、もう、全然オッケーです。」
美佳)「そうなんですね。じゃあ、ちょっと休憩させてもらいに来たりこれからできそうなすごく楽しそうな場所です。」
向井さん)「喫茶店と思って入って来られる人も。」
美佳)「ほんとなんですか!?なんかほんとに使ってしまいそうですね。」
大蔵さん)「実習生の方がよく久しぶりって遊びに来てくれます。」
美佳)「ああ、もう一回戻ってきてくれるんですね。」
大蔵さん)「はい。」
美佳)「そういうのもいいですね~。なんかふらっと立ち寄れる暖かい場所があると安心できますよね。そんなここ、コピーセンター絆結さんなんですが、私たちの見えないトコがいいところのTシャツとかそういうのもここで作っていただきました。その時たまたまご一緒させていただいた大蔵さんに今日はお話をお伺いたいと思います。」
復職できたことに感謝しかない。一歩踏み出してみてよかった
大蔵さん)「はい。」
美佳)「よろしくお願いします。」
大蔵さん)「よろしくお願いします。」
美佳)「大蔵さんちょっと緊張するタイプ?」
大蔵さん)「はい。緊張しいです。」
美佳)「緊張しいで。大丈夫です。」
大蔵さん)「ありがとうございます。」
美佳)「働くことについて、私たち今ずっとこの1年間考えていこうかなと思うんですけど、働くっていうキーワードで話していく時に大蔵さんは、ここが何か所目かの職場だったんですよね。」
大蔵さん)「病気をして、B型作業所で就労移行で訓練をして、障害者就労1か所、そしてその後に努めたのがこの絆結です。」
美佳)「4か所くらい目ですね。」
大蔵さん)「4か所目くらいですね。」
美佳)「はい、はい。絆結さんにお仕事することになってどうですか?」
大蔵さん)「私は障害者就労した時に非常に辛い思いを致しました。その職場で障害者として雇われたんですけども、『座っとくだけでいいよ』と言われたんですね。要するに何もしなくていいって言われたんです。そういう経験をした上でここにご縁があって来ることになったんですけども、今は本当に西部ガスのグループのみなさんと一緒に。前の道路通るときに会釈してくれたりとか、声をかけてくれたりとか、そういう毎日色々お客さんに出会うことによって、すごく楽しく仕事をさせてもらっています。」
美佳)「それはいいですね。」
大蔵さん)「はい。」
美佳)「なんか復帰できたことに感謝しているって先ほど教えてくださいましたけども。」
大蔵さん)「はい、ほんとに感謝しています。もうこれはほんとに仲間が私をカウンターに立たせてくれたということも事実ですし、ガスさんやガスのグループの方々からこのビルにいらっしゃる薬屋さんからケーキ屋さんから喫茶店のマスターから、床屋さんからそういったお客さんから色んな励ましの言葉をいただいているので、毎日立つことができています。」
美佳)「応援してくれる人がいる?」
大蔵さん)「はい、たくさんいます。」
美佳)「ああ、いいですね。」
大蔵さん)「ほんっとにそれに感謝しています。」
美佳)「なんかさっきね、動くと応援してくれている人に出会うって、言ってくれましたけど、本当にそうですね。」
大蔵さん)「そうですね。やっぱり働くっていうことは、やっぱり作業とは違うところがあって、私はB型事業所で永遠と例えば糸を切っていたりとか、箱詰めをしたりとか、カレーの袋詰めをしたりとか、作業をずっとこなしてきました。でもそれだけじゃ満足できなくて、やはり何か働きたいって思った時にやっぱり一生懸命職場を探しました。なかなか見つかりませんでした。でもやっとの思いで、見つけて、で、さっきのようなことがあって。また、ご縁があってここに来た時に、ここで本当に一緒に優しさに触れることができたことが働くってことは本当に素晴らしいんだなぁって、つくづく思うことができました。」
美佳)「ほんとですね~。」
大蔵さん)「はい。」
美佳)「なんかこう、私のね娘もね、この4月から働いているんですよ。そしたらすごく成長して、やっぱりいろんな方に応援してもらったり、優しさに触れているんでしょうね。生き生きしてて。」
大蔵さん)「はい。そうだと思います。私も障がいを持っているので、障がいを隠すっていうことをしてきたつもり、無意識にしていたとしれないですけど、ここに来て、健康な自分、働けている自分を出すことができて、それを応援してくれる人がいる。だから、腫物を触るように私を見ないで、普通に接してくれることがすごく嬉しく思います。」
美佳)「なんかこう、勇気をもって動いてみたことが、今につながっているんですよね、きっと。」
大蔵さん)「はい。本当に。やっぱり最初は怖かったです。」
美佳)「私の場合は娘が働くっていうことはやっぱり怖いですよね。」
大蔵さん)「はい。」
美佳)「親としてやっぱりこう守っていたくなるし、事業所とかにいたほうが安全なんじゃないかなとか、どんな思いするのかなってすごい不安で。でも、本人がやっぱり働いてみたいって言うから、思い切って出してみて、本当に良かったなと思っているんですけど、大蔵さんも同じですよね。」
大蔵さん)「全くおんなじです。だから、でももちろんその仕事をしている以上、辛いこともありますし、みんないいお客様って訳ではありません。そういったときに、結局誰が助けてくれるか。やっぱり、うちの場合は、社長が最後の最後で助けてくれる。向井さんが助けてくれる。そういうやっぱり安心できる場所っていうのが、ここにできているのがすごく自分にとって励みになっています。」
美佳)「いいですね。会社が働くところであり、お給料いただける場所であり、安心できる場所であり、信頼の場所であるっていうのは。最高ですね。」
大蔵さん)「できすぎって言われるかもしれませんけど、両極端を知っているからこそ、ここがすごく恵まれているということを実感しています。だから、たぶん、色んな会社の社長さん、例えば、土建業とか、個人事業主さんとかでも、福祉に関係ない社長さんでも『この子使ってみようかな』とか、『俺んとこで働いてみようかな、使わせてみようかな』っていうご縁があって、働くチャンスが絶対障がい持ってる人でもあると思うんです。なんかのご縁で。『うちで働いてみないか』って言ってくれる人がいると思うんです。そういう人に、なんとかこうくらいついてというか、そのご縁を大事にして、私も船越社長にご縁があって引っ張られたんですけども。そのご縁を信じてみて、働いてみる、もがいてみる、一歩踏み出してみるってことが、私はすごく大事なんじゃないかなって思っています。」
美佳)「やっぱり最初から全部しっくりしゃっくりくるわけじゃないじゃないですか。」
大蔵さん)「もちろんです。」
美佳)「だから、もがいてみる、ですよね。」
大蔵さん)「はい。」
美佳)「お互いに。」
大蔵さん)「はい。」
美佳)「その結果が今になるっていう。」
大蔵さん)「はい。そう思います。」
美佳)「素敵ですね。」
大蔵さん)「はい。」
美佳)「はい。こうやって大蔵さんが働いてすごくいいって言われているんですけれど、西部ガスさんっていうかですね、職場の会社の方にしてみるとなんか変化とかありますか?」
会社が大きく変わった。優しくなった。
向井さん)「大きく変わったんですね。特例子会社を作るまでは、障がい者の方に接する方法もよくわかんなくて腫物に触るような感じでうまくいってなかったという状態だったんですけど、特例子会社作ることによって日常を接することができるようになったということで、特に何も気を使わなくても普通に喋れるんだというところを分かってもらえた。それによって社員も大きく変わってきたと思っています。優しくなったかな。」
美佳)「そうですよね。ほんとうに日常接することが無い人が多いのかもしれないですよね。」
向井さん)「そうなんですよね。」
美佳)「小学校とか別々だし。」
向井さん)「うん、そうなんですよ。」
美佳)「でも、接してみると、本当に当たり前だけど同じ人間だから、特段何もないけど。」
向井さん)「ただ、モノの頼み方もちょっと考えれば普通の人と接するような感じじゃなくて、10のことは10喋って頼むとかね。そういったことが分かってくると、それがちゃんと出来てくるかなと。それが一般のお客さんにも波及してくるようには感じてます。」
美佳)「そうなんですね。」
向井さん)「はい。」
美佳)「やっぱそこが私、すごくいいと思うんですよね。一般のお客さんとかその社員の方の家族とか色んなとこに波及していく可能性があるっていうのが素晴らしい。社会にとっていいことだなーと思ってるんですけど、」
向井さん)「ほんとに作って良かったと思っています。」
美佳)「ほんとですね。素晴らしい。今日もお話聞いてここ来て、改めて素晴らしいなって。でもやっぱりあれですよね。ほんとに一歩行動してみる、働くのも一歩行動なんだけど、こういうところ作ろうって思って実際行動してくださったというね、とこが、今につながっているんだろうな、すごいなって思います。」
向井さん)「ありがとうございます。」
美佳)「本当に私も自分の子どもが働きだしてすごく生き生きすっごく成長、社会によってさせてもらってるの見ると、もっともっとたくさんの人に働く機会が、働くだけが全てじゃないのはもちろん当たり前なんですけど、働く機会がいっぱいあるともっともっといいことがいっぱい起こってくると思っているので、こんな会社がもっともっと増えたらいいなって心から思います。」
船越さん)「例えば私たち障がい者が働くっていうところは、普通の働き方だけじゃなくて、例えば今はどちらかというと精神とか発達とかっていう障がい者の方の方が問題、会社に来れないっていう問題が大きいかもしれませんけど、分かりやすい例で言えば身体の方、身体の方が例えば封入、封函っていうのを手で出来なければ足でするっていう現場をガスの社員の方々が実際に目で見たときに驚かれると思うんですね。こうやって働いているんだって。で、また、私もそうんなんですけど、大蔵に分かりやすいようにって言って、仕事の手順を懇切丁寧に書いてくれる女性がいるんですね。まずこうして、こうして、こうしてくださいって書いてくれるんです。そういうその弱者に優しいっていう気持ちを持っていただけるとどれほど障がい者が働きやすいっていうのが、本当に痛感しているところです。」
美佳)「弱者に優しい、障がいのある方に分かりやすいとか、優しいっていうのは、それって広がっていけば、普通の人にも優しい訳でちょっと歳とって目が見えなく、見えにくくなった人におっきい字は分かりやすいのが当たり前だし、歳とっていくとどんどんできなくなることが私もすっごく多くなってきて、おっきい新聞嬉しいし、分かりやすい言葉で話してくれたら嬉しいし、っていう風に社会みんなにいいものに絶対なっていくと思うので、はい、私たちもこれから色んなところで発信していきたいなと思いますので、今日のお話を聞かせていただいたことがまずその一歩がね、すごく色んなとこでいいことが起こると思います。今日は本当にお忙しい時間、はい、作っていただきありがとうございました。」
みなさん)「ありがとうございました。」
このインタビューの様子を動画でアップしています。